
大笹原神社の本殿は、応永二十一年(1414)に建立されたと伝えられる室町時代前期の建造物です。
長い年月の中で修理や屋根の葺き替えを重ねながら現在まで受け継がれ、今日では国宝に指定されています。
均整のとれた優美な姿と、建物各所に施された繊細な彫刻や装飾が特徴で、中世の神社建築を今に伝える貴重な建造物です。
応永二十一年(1414)の本殿

残された棟札によれば、応永二十一年(1414)四月に立柱し、同年八月に屋根の葺き上げを終えたとされています。
社伝では、この再建には馬淵氏が関わったと伝えられており、中世の地域武士と大笹原神社との深い関係をうかがうことができます。
その後も本殿はたびたび修理され、文亀元年(1501)をはじめ、各時代に屋根の葺き替えや修復が行われながら守られてきました。
本殿の内部

本殿内部は、内々陣・内陣・外陣の三つに区画されています。
外陣は内陣よりも床が低く造られており、建物を取り巻く縁も外陣部分では低くなっています。
外から見るだけでは分かりにくい部分ですが、こうした内部構成にも中世の神社建築の特徴が残されています。
華やかな彫刻と装飾

大笹原神社本殿の大きな見どころの一つが、各所に施された装飾です。
蟇股や手挟、欄間、脇障子、格狭間などには、細やかな彫刻や意匠が施されています。
また、正面と両側前方に設けられた花狭間格子戸も特徴的で、建物全体の繊細で華やかな印象をつくり出しています。
こうした装飾を持ちながらも全体の姿はよくまとまり、均整のとれた美しさを見せています。
修理を重ねながら受け継がれた本殿

六百年以上にわたって残されてきた本殿は、一度建てられた姿がそのまま今日まで残ったものではありません。
屋根の葺き替えや修理が各時代に繰り返され、そのたびに地域の人々や関係者によって守り継がれてきました。
現在私たちが見る本殿の姿は、長い歴史の中で積み重ねられてきた保存と修理の結果でもあります。